秋のエレジィ

元気だせよ

元気だせよ

まだ始まったばかりじゃないか

不安はもちろんあるだろうけれど 絶望はないだろう?

周りは敵ばかりじゃないさ 支えてくれる人もいるだろう

怖がってちゃだめだよ 前に進めないだろう

だから、元気だせよ

Factory Reset

工場出荷状態に戻すんだ

ぐちゃぐちゃにインストールされた

ソフトウェアは皆消してしまおう

重たくて動けなくなってしまった

マシンを解放するんだ

空っぽになって

いちから始めれば良いさ

生まれ変わるために

Factory Reset

いま僕はどこにいる

空を見上げても分からない

いま僕はどこにいる

若かったあの頃

桜の下で寝そべって空を見ていた

それから何が変わったのだろう

生活のために生きているのか?

僕には分からない

空を見上げよう

風を感じよう

いま僕がどこにいようとも

変わらないなにかがあるはず

この世の終わり

この世の終わりが近いとしても

その前に自分の人生の終わりをどうするかだ

経済危機 失業問題 年金問題、、、

地震や洪水なんかがあって 安心は崩れ去った

閉塞感って言うけれど そんなの20年前からの話じゃないの?

それで君は何をした?

僕は何もしてません

だから今日を精一杯生きるだけで充分だよ

人に優しく 感謝して

生きていれば充分です

やっぱり京都

北鎌倉もよいところだけど

歩くならやっぱり京都

東山は 銀閣寺から哲学の道を歩いて

南禅寺 知恩院 円山公園 産寧坂から清水寺まで

嵯峨野は 嵐山から竹林を抜けて常寂光寺 落柿舎などを回って

あだしの念仏寺まで

東京転勤が決まって

大文字山に登り

京都の街に沈む滲んだ夕日を眺めていた

やっぱり京都が好き

イルミネーション

不景気風が吹く中で

イルミネーションが輝き始める

クリスマスが近づくと装いを変える街

何のためなんだろう

見る人を喜ばせるため?

何かのお祝いや感謝を示すため?

クリスマスくらい せちがらい世の中を忘れたいため?

寒空にイルミネーションは輝いている

誰のためというのでもなく

ただ美しく

トウムに捧ぐ

トウム-シルバーフェレット
SN250020

トウム

きみは血統書のない怪しいフェレット

子供たちがペットが欲しいと言い出したので

突然 我が家にやってきた

シルバーのきみはとても元気が良くて

僕や子供たちは逃げまくり

跳ねる姿がとてもかわいい

きみは遊ぶのが大好きで

子供たちのトウム釣りに付き合って

ひもにぶらさがっていたっけ

ママはきみが大好きで

かみつくのが得意なきみにも

怖がらずにほほを摺り寄せていたね

きみが這いながら忍び寄る様子は

とてもキューティ かわいくて

部屋の窓から見ていたものさ

フェレットはイタチ科でくさいと言うから

シャンプーしようと一緒に風呂に入ると

きみは必死に逃げ回っているばかり


トウム

きみは悪性リンパ腫になってしまった

あんなに元気だったのに

余計な手術なんかするんじゃなかった

もう少しでも長生きできたかも知れない

コンビニから帰って動物病院に電話した

危ないから来てくれと言われ駆け付けたが

間に合わなかったよ

すでにきみは花につつまれていた

激しい雨の降る日にきみを送ったよ

しろい骨は共同墓地に撒いた

骨を持って帰りたかったらしいね

泣かないママが泣いていたよ

9月24日は忘れちゃいけない

優しい午後

4本の歯ブラシと4つのコップが

僕らの朝を迎えてくれる

穏やかな朝

4本の傘がウッドデッキで日向ぼっこ

ぶつかったりしながらも伸びをしている

暖かい午後

4組のパジャマが 物干竿で 風に揺れて

それぞれの柄で 並んで 触合ったりしている

久しぶりの南風

ただいま と言いながら 子供たちが帰ってくる

腹減った と言いながら 子供たちが帰ってくる

嗚呼 こんな一日がいつまでも続けばと思う

見上げれば 雲一つない青い空が広がっている

自然のままに生きていると感じる

とても優しい午後

春を待つ

長女は浪人で大学受験

次女は高校受験なのさ

入試で なにを試すと言うの

誰もが 一生懸命 やって来たのに

浪人生は一年も余分に勉強して

くじけた心を励ましていただろうに

充分 努力したきみだから

合格する自信はあるようだけど

やっぱり試験が近づくと

不安や いろいろ考えることもあるだろう

だけど 僕は言わないと決めているんだ

きみの決断に任せるしかない それだけさ

きみの人生だから 悔いの無いように

応援することしかできない それだけさ

言葉では言わないよ

きみに春が来ますように

秋のエレジィ

きみに分かるかな

終わったことを何度も思い出すこと

若かった日の過ちを

何度も後悔すること

忙しければ思い出さない過去の事

秋の夜には思い出して考えちゃうんだ

とても胸が痛くなることもあるんだけど

それはどうにもならないこと

過ぎ去ってしまったことなんだ

でも 頭の中にはいつまでも居座り続けて

ああすれば なんて思ったりするのさ

カラダは枯れてゆくけれどココロはそうじゃない

多分 きっと最後の日まで

秋の音楽会

秋の夜と言えば

たくさんの虫の歌声が聞こえたものだけど

今年はほとんど聞くことがない

田舎町で 伸び放題の芝生もあるのに

カブトムシも飛んでくる林もあったのに

どこへいってしまったんだ

まさか放射線のせい?

虫のコーラスが聞こえなくなってしまった

こんなの僕の秋の夜じゃない

どこへいってしまったんだ

まさか逃げ出したのかい?

うるさいくらいのコーラスを聞きたい

こんなの秋の夜じゃない

老いに向かいて

まだ50代前半というのに

カラダはボロボロになってきた

大学入学時に両眼2.0だった視力は

小さい文字が見えにくくなって

老眼鏡のお世話になるようになり

高校時代に歯医者を感心させた歯も

奥歯がなくなってきているし

前歯もスカスカ状態だ

長髪がトレードマークだった僕も

今や頭皮が透けていないか気になるし

足腰も衰えてきて

階段がつらく感じるようになってしまった

さて まだ自分に何が残っているのだろうか

目が見えなくても 歯がなくなっても

耳が聞こえなくても 髪がなくなっても

たとえ動けなくなったとしても

気持ちだけあれば

生きていけるだろうか

そう 気持ちだけは明るくしよう

なるようになるしかない

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