旅立ち

旅立ち - 姪っ子の合格に

荷物は少なめが良い

気軽にどこでも行けるように

仙台は杜の都

青葉城公園から 眺めてみれば

緑に埋もれた街が広がる

多分 一人っ子の君は期待を背負って

窮屈な 青春だったんじゃないか?

これからは 自分でみんな決めるんだ

悔いの無いように 進みたい道を

君の新たな旅立ちだよ

精一杯 楽しんでおいで

becauseなんて要らない

理由を必要とするのは 簡単だけど

becauseなんて 要らない

空がとっても青いから

風が吹いていたから

生きてゆくのに 特別な理由なんて 要らない

虫たちは ただ 這い回り 飛び回るだけ

理由なんかないのさ

花たちも わずかな時間に 輝いている

つぎに 会えるのは 来年かな

それぞれの時間の長さは違っても おんなじ生と死

君は何を考えてるの?

becauseなんて 要らない

すだちの赤ん坊

スダチ

ちいさい すだちの あかんぼう

これから たくさん たいようのひかりをたべて

おおきく そだつんだ

つばめ

つばめが 玄関先に巣をつくり

子育てをしている

今年にはいって3組めかな

田んぼになえが植えられる頃

つばめは舞い戻る

つばめは天敵のカラスをいやがって

人の住む軒先に巣を造るらしい

去年はカラスにやられて そうとう悔しかった母は

カラス除けの道具や CDをぶら下げていた

「玄関の電気は点けなくていいのよ」って

つばめが眩しいかもと 気遣ったりして

そこまで 気にするか ふつう?

もうひと月もすれば 旅立つだろう

来春に またおいで

恋人を連れて またおいで

ステ

すて猫、ステ

ステ

本当の名前は ステ吉 でも女の子だったね

家の前に捨てられていたから ステ

おまえはいいな~ うらやましいよ

玄関でニャンと鳴けば ご飯が出てくる

一代目は家の中で ごろごろして 太りまくり

壁をひっかいて 困ったものさ

親父は 布団に入れても まったく気にしなかったけど

お袋は 家を荒らされるのは まっぴら御免

だから君は外で寝ないといけない

でも いつもごろごろで お気楽な生活

恵まれてるって 思ったことないだろうけど

ネズミも捕らない ステ

ひとつだけ そんな君が役に立っていることがあるんだ

お袋の生きる意味の 一つになっているってこと

お袋が呼んでいるよ

ステ、 ステ、 ステ 、、、

一輪の花

花

きみはどこからとんできたの

れんがのすきまからめをだして

いつのまにやらみどりいろのつぼみをつけて

だんだんとぴんくいろにそまってきて

いちりんのはなをさかせたチューリップ

きみはどこからとんできたの

人生問答

七輪で サンマと野菜を焼きながら

ビール片手に僕らは話した・・・

「死ぬ時に 後悔がないのが 一番だよね」

いや 後悔はいつでもあるよ

ただ 戻ることはできないだけさ

「年取って好きなことって言っても それからの時間は少ないよね」

そうかも知れない いつ死ぬか自分では分からない

分からないから 考えないだけさ 考えたくないのかも

「働くべきという常識で 働かされるのは いやだね」

それはそう 時間を売って いくらかの金を稼ぐ

大抵の人は 生きるために しかたなく働いてるのさ

「時間がもったいないよ 駅から駅への往復なんて」

もっと違う生き方があるかも? と みんな思うことはあるんじゃないか?

ただ今のレールからはずれるのは ちょっとした勇気がいるんだろう

「会社やめた時は 本当、どうなるのか不安だった」

そう? 僕ははれやかに感じたけどね 今は不安もあるよ

多かれ少なかれ 不安や悩みのない人なんて まずいないさ

こんなこと

そんなこと

あんなこと

いろいろ話した北鎌倉の秋

自分が納得できれば 良いんじゃない

横須賀線車中にて

北鎌倉から横須賀線の電車に乗った

山がすこし霞んで見える日曜日

観光客は今日は少なめらしい

長シートに空きを見つけて座る

大船から高校生の団体が乗ってきた

練習試合の帰りだろうかサッカー部らしい

日に焼けて 赤く火照った顔で

スマホを見せ合いながら 笑っている

戸塚で彼らは降りていった

喪服の女性がひとり片隅に座っていた

ひっそりとして いつのまにやら降りたらしい

スマホに向かう人たち

もしくは眠ってしまう人たち

新橋近くで車内アナウンス

総武線で人身事故のため東京止になるらしい

驚く人なんていない

火災で一人死ねばニュースになるのに

都会の人身事故はニュースにならないんだ

運行情報として淡々としたアナウンスがあって

冷たいテロップが流れるだけ

電車が東京駅に着くと

みんないそいそと降りていった

何もなかったように

そう自分には関係ないってね

そして 僕も次の乗換電車へと歩き出すんだ

僕の知らない君がいる

昔の、、、

昔の 音源 を聴いてみた。

君の声が 聞こえる

君の声は すぐ分かるよ

ちょっとハスキーな 甘い声

二人の人生がクロスする

その前の君が そこに居る

そこに居れなかったのが

悔しくもあり 悔しくもない

もう十分に 時は流れたから

ただ 懐かしいだけ

ただ いとおしいだけ

壁にもたれて

玄関の壁にもたれて

僕はタバコを吸っている

室内は禁煙なのさ

だから外で吸っているんだ

今日は雨なので、内庭で吸えないから

玄関の外にしか場所がない

遠く高層マンションの光が見えるが、だいぶ霞んでるね

ご近所もひっそりとして 雨の夜を ただ見送っているよう

空に飛行機が飛んで行った 多分成田発の最終便かな

その後には また静かな街並みが ただ残される

静かな雨の夜は 嫌いじゃないさ

ほっと落ち着けるし

一息ついて

新たな気持ちにもなれる

明日は 晴れるとよいね

明後日には 娘も帰ってくるらしい

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